胃カメラ(経鼻内視鏡)
経鼻内視鏡は、鼻から挿入される細い内視鏡を使用して、鼻腔や喉頭、喉、食道などの上部消化器官を観察・診断する内視鏡検査の一種です。
通常の口から挿入する経口内視鏡と比較して、鼻から挿入されるため、口腔や咽頭の不快感やむせる感覚が少なく、患者への負担が軽減されます。
経鼻内視鏡は主に声帯や喉頭の疾患、食道の異常、嚥下障害の評価などに使用され、診断や治療のために広く利用されています。医師の指導のもとで行われ、一般的には安全な検査方法です。
メリット
① 負担が少ない
鼻から挿入されるため、口腔や咽頭の不快感やむせる感覚が軽減されます。患者の負担が少なく、快適に検査を受けることができます。
② 安全性が高い
経鼻内視鏡は一般的に安全な検査方法です。医師の指導のもとで行われ、リスクや合併症の発生率が低いです。
③ 観察範囲が広い
経鼻内視鏡は上部消化器官の観察に適しており、声帯や喉頭、食道など幅広い領域を詳細に観察することができます。
④ 診断や治療に役立つ
経鼻内視鏡は声帯や喉頭の疾患、食道の異常、嚥下障害の評価などに使用され、正確な診断や治療計画の立案に役立ちます。
⑤ 内視鏡の利点を享受
経鼻内視鏡は内視鏡検査の一種であり、他の内視鏡と同様に画像や組織の試料を取得することが可能です。これにより、病状の詳細な評価や病理検査が行われます。 経鼻内視鏡はこれらのメリットを持ち、患者の快適性と診断・治療の効果を高めるために広く利用されています。
経鼻内視鏡で分かる病気とは?
声帯や喉頭の疾患
経鼻内視鏡によって声帯や喉頭の異常を観察し、声帯ポリープ、喉頭ポリープ、声帯結節、喉頭炎などの疾患を診断することができます。
食道の異常
経鼻内視鏡を使用して、食道内の病変や炎症、食道狭窄症、食道逆流症などを観察することができます。
嚥下障害
経鼻内視鏡によって嚥下の異常を評価し、嚥下障害の原因を特定することができます。食道機能の評価や嚥下時の食物や液体の進行状況を観察することが可能です。
炎症性疾患
経鼻内視鏡は喉頭や食道の炎症性疾患(例: 咽頭炎、食道炎)の診断にも使用されます。
組織の評価
経鼻内視鏡を通じて組織の試料を採取し、病理検査を行うことで、異常な細胞や組織の評価が可能です。
検査装置について
当院で採用するオリンパス社製の光源装置EVIS LUCELA ELITE、経鼻内視鏡もGIF-XP290Nを導入し、微細病変も早期発見に貢献されるNBI(狭帯域光観察)も可能です。
検査前の注意事項
- ・飲食の制限
飲食物や水の摂取を検査の直前まで制限することがあります。医師の指示に従って指定された時間まで絶食や絶水とする必要があります。
- ・薬物の調整
検査前には医師と相談し、服用している薬物についての指示を受ける必要があります。特定の薬物の使用を中止したり、調整する必要があるかもしれません。
- ・アレルギーの確認
経鼻内視鏡検査に使用される薬剤や材料に対するアレルギーの有無を確認するために、医師に報告する必要があります。
- ・運転を避ける
検査後は麻酔や鎮静剤の使用により一時的な影響がある場合があります。検査当日は運転を避け、付き添いの人を確保することが重要です。
- ・事前に検査内容の確認をする
検査の目的や手順、リスクや合併症に関する疑問や質問がある場合は、検査前に医師に確認しましょう。 これらの注意事項を遵守することで、経鼻内視鏡検査の効果的かつ安全な実施が可能となります。医師や医療スタッフの指示に従い、検査の準備を正確に行いましょう。
検査の流れについて
① 準備
検査の前に、患者は病院で特定の手続きを行う必要があります。検査の目的や手順についての説明を受け、同意書に署名することがあります。
② 検査室への移動
検査当日、患者は検査室に案内されます。必要に応じて、麻酔や鎮静剤の使用に関する説明を受けます。
③ 鼻の麻酔
検査開始前に、鼻の内側に局所麻酔剤が塗られます。これにより、鼻腔の感覚を鈍くすることで検査の快適さを向上させます。
④ 内視鏡挿入
医師は柔軟な内視鏡を鼻から挿入し、のどを通り抜けて胃や十二指腸に到達させます。患者は通常、内視鏡の進行を感じることがありますが、それほど痛みはありません。
⑤ 検査範囲の観察
内視鏡が進行する間、医師は画面上で消化器の組織や臓器を観察します。必要に応じて、組織サンプル(生検)を採取したり、異常部位に治療を行ったりすることもあります。
⑥ 検査終了と結果説明
内視鏡が取り出された後、患者は回復室に移されます。麻酔や鎮静剤の影響が残っている場合は、一定の回復時間を要することがあります。
検査結果は通常、後日、医師から説明を受ける形で伝えられます。
※経鼻内視鏡検査の流れは個々の病院や患者の状態によって異なる場合があります。