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糖尿病の人はインフルエンザにかかりやすいって本当?

糖尿病の方は、日頃の血糖コントロールだけでなく、感染症対策にも一層の注意が必要です。特に冬場に流行するインフルエンザは、糖尿病の方にとって重症化しやすい感染症として知られています。この記事では、糖尿病と感染症全般の関係、そしてインフルエンザと糖尿病のリスクや注意点、さらに予防法について詳しく解説します。正しい知識をもとに、安心して日常生活を送るための対策を見直してみましょう。

糖尿病の注射

糖尿病と感染症の関係

糖尿病は様々な原因により、血糖値が高い状態が持続する病気です。血糖値が高い状態が続くと免疫の機能が低下し、感染症に対する抵抗力が弱まることがわかっています。高血糖状態では、白血球の働きが鈍くなり、細菌やウイルスに対する防御機能が低下するため、風邪や肺炎、尿路感染症などに感染する危険性が高まります。

 

インフルエンザと糖尿病の関係

インフルエンザは、急激な高熱や全身の倦怠感、咳などの症状を引き起こすウイルス性の感染症です。インフルエンザも感染症の一つですので、糖尿病の方は感染しやすく、そして重症化しやすくなります。インフルエンザが重症化すると、ウイルス性肺炎やインフルエンザ脳症を起こし、場合によっては細菌性肺炎を合併することがあります。 またインフルエンザに感染することで血糖が高くなる可能性があります。インフルエンザなどの感染症にかかると、体はウイルスと戦うためにストレスホルモンを分泌します。ストレスホルモンは生命活動のエネルギー源であるブドウ糖を増やすため、肝臓からブドウ糖を放出するように促し、膵臓から血糖を下げるインスリンを分泌させないようにします。これにより血糖値が急激に上昇し、血糖管理が乱れやすくなります。感染症による高血糖状態は、さらに免疫力低下を招く悪循環となります。

体調が悪い女性

インフルエンザにかかったときは、血糖値の管理にいつも以上の注意を!

インフルエンザにかかわらず、糖尿病の方が感染症になったときを「シックデイ」と呼びます。シック(sick)=病気、デイ(day)=日で「病気の日」という意味になります。体調を崩したとき、糖尿病の方は以下のような理由で、血糖値の管理をいつも以上に注意しておく必要があります。

血糖値の変動

発熱やストレスによるホルモン分泌の影響で、血糖値がいつもより高くなることがあります。また食欲が落ちて食事がとれない場合、いつも通りに薬やインスリンを使用してしまうと低血糖になる可能性があります。

脱水症状

インフルエンザの症状として発熱や下痢、嘔吐が見られる場合、脱水症状に陥りやすくなります。脱水により血液が濃縮されると、同時に血糖値も上昇します。体は血糖値を下げるために尿から糖分を出そうとしますが、この尿中の糖分が体内から水を引き込み、さらに脱水症状を悪化させます。

高浸透圧高血糖症候群や糖尿病ケトアシドーシスの危険性

血糖の高い状態が続いたり、適切な投薬ができていない状態が続くと、高浸透圧高血糖症候群や糖尿病ケトアシドーシスといった命に係わる状態になります。高浸透圧高血糖症候群は主に2型糖尿病の方に見られ、極度の高血糖により昏睡に至ることがあります。糖尿病ケトアシドーシスは、1型糖尿病の方がなりやすく、インスリン不足により体が糖分をうまく利用できなくなり、代わりに脂肪を燃焼してケトン体を生成、血液が酸性に傾き、吐き気や腹痛、昏睡などを引き起こす危険な状態です。 シックデイにおけるインスリン量や内服薬の調整について、またどのようなときに急いで受診するべきか、主治医とあらかじめ相談しておくことが重要です。

インフルエンザを予防するための方法

インフルエンザワクチン

インフルエンザの感染を防ぐためには、日常生活での予防対策が非常に重要です。以下のポイントを実践し、感染リスクをできるだけ低く保ちましょう。

インフルエンザワクチンを受けましょう

インフルエンザワクチンは発症予防効果こそ30-50%とさほど高くはありませんが、重症化予防効果は80%前後と非常に有効です。アレルギー等の理由がない限りは、毎年受けるようにしましょう。

流行期の人混みへの外出はできるだけ控えましょう

インフルエンザウイルスは、特に密閉された空間や人が多く集まる場所で感染しやすくなります。混雑する場所への外出を控えることで、感染リスクを大幅に低減できます。やむを得ず外出しなければならないときには、マスクを着用するようにしましょう。

外出後は、手洗いを忘れずに行いましょう

ウイルスは手すりやつり革、机や椅子などいたるところに残っています。ウイルスが付着した手で目や鼻、口に触れることで、インフルエンザに感染する危険性が高まります。帰宅後や外出中は、石鹸と流水を用いた十分な手洗いを行う習慣をつけるようにしましょう。

室内は適度な湿度を保ち、乾燥を防ぎましょう

ウイルスは乾燥した環境で活発に飛散しやすいとされています。加湿器を利用するなどして、室内の湿度を適切に保つことで、ウイルスの拡散を抑える効果が期待できます。

十分な休養と、バランスのとれた食事を心がけましょう

免疫力を維持するためには、規則正しい生活と栄養バランスの良い食事が欠かせません。十分な睡眠や適度な運動を取り入れ、病気への抵抗力を維持するようにしましょう。

糖尿病治療を続けましょう

同じ糖尿病でも、血糖コントロールのよい方とわるい方では全く状況が異なります。感染症を防ぐためには、普段から食事療法、運動療法、薬物療法といった糖尿病の治療を続け、血糖値を安定させておくことが何より大切です。

こんなときは迷わず診察を受けましょう!

インフルエンザの検査

糖尿病の方はインフルエンザの重症化の可能性と、糖尿病の悪化の可能性の二つを考慮する必要があります。

ふだんと様子がおかしい、ボーっとしている

インフルエンザによる脳症や、高浸透圧性高血糖症候群による意識障害などが考えられます。

喉がよく乾く 尿の量が多い

高血糖になっている可能性があります。

息苦しさや強い倦怠感

インフルエンザによるウイルス性肺炎や、細菌性肺炎を合併している可能性があります。倦怠感は高血糖や糖尿病性ケトアシドーシスになっている可能性があります

嘔吐や腹痛がひどい

インフルエンザだけでも嘔吐や下痢の症状が出ることもありますが、症状がひどいときは糖尿病性ケトアシドーシスの可能性があります。 なお上記に関わらず、迷った場合は早めに医療機関を受診しましょう。

名古屋市天白区でインフルエンザ予防なら【ばんのクリニック】へ

糖尿病の方は、血糖値の管理だけでなく、感染症予防に向けた取り組みも非常に重要です。インフルエンザは、糖尿病による免疫力低下の影響で重症化しやすく、血糖コントロールにも大きな影響を与えます。日頃の予防策として、感染症流行期のマスクの着用や人ごみの回避、手洗いや加湿など基本的な感染症対策を徹底することが重要です。また、体調の変化に敏感になり、異常を感じたら速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

 

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